2000年08月24日
三井化学、旭化成に青化ソーダ事業を営業譲渡
旭化成、青化ソーダ事業に参入
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:旭化成、三井化学、三井物産

 旭化成と三井化学は23日、三井化学の青化ソーダ事業の営業権を今年10月1日をもって旭化成に譲渡、旭化成が青化ソーダ事業に参入することで合意に達した、と発表した。
 旭化成は、川崎工場内にAN副生青酸を原料とした年産1万トンの青化ソーダプラントを今年秋より建設を開始、2002年1月の稼働を予定する。営業権の譲渡後、旭化成のプラント稼働開始までの間は、三井化学に生産を委託、同社茂原工場で生産する青化ソーダを販売するが、切り替えが完了する2001年12月末に同設備は休止する。販売ルートについては三井物産をはじめとして、原則として既存の商社を譲渡後も継続して起用していく予定。
 また、両社では今回の青化ソーダの営業権譲渡を機に、三井化学のメタクリルアマイドの原料として、旭化成がメタクリロニトリルを供給する契約を同時に契約する。三井化学は、メタクリルアマイドの製法を、現行のACH法からメタクリロニトリルを原料とする自社技術のバイオ法へ転換する。
 三井化学は茂原工場において、天然ガスを原料として青酸を合成、これをもとに青化ソーダ(年産1万1,000トン)などの青酸誘導体を事業化している。しかし、同社では、茂原工場を「工業樹脂、電子情報材料を中心とする製造センター」と位置づけ、青酸の合成から誘導体に至る製品群について再構築する方針をもっていた。
 一方、旭化成は、川崎工場のAN(アクリロニトリル)プラントから副生される青酸を活用し、MMA(メチルメタクリレート)モノマーの原料であるACH(アセトンシアンヒドリン)を生産してきた。しかし、1999年1月にMMAモノマーの製法を直メタ法に転換したことによりACHが不要となったため、これに代わる新たな青酸の誘導体を事業化し、AN事業の総合的強化が課題となっていた。
 今回の譲渡は、こうした両社の戦略が一致したことで実現したことになる。