2000年08月23日 |
旭化成、今秋めどに欧米コンパウンド拠点を整備 |
5年後にはサーモフィルのコンパウンド能力を倍増へ |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:旭化成、新日鐵化学 |
旭化成工業は、先頃新日鐵化学から譲り受けたコンパウンド子会社のサーモフィルについて、今秋をめどに中期計画をまとめ欧米コンパウンド生産拠点を整備する。今後欧米3拠点に、自社技術を導入してエンプラコンパウンド事業を強化、5年後には生産能力を倍増させる考え。 サーモフィルは、本社のある米国ミシガン州のほか、子会社のサーモフィル・ポリマーズ(UK)とその子会社サーモフィル・ポリマーズ(フランス)で欧米に3拠点を有し、年産9万トン規模の生産能力を有している。現在の主力はPP(ポリプロピレン)コンパウンドだが、このほか一部でナイロン樹脂のコンパウンドを手がけている。 旭化成の機能樹脂・コンパウンド事業部門は、ナイロン66樹脂、変性PPE(ポリフェニレンエーテル)、POM(ポリアセタール)を手がけているが、変性PPEはほぼ全量、ナイロン66樹脂もコンパウンド比率が高いことから、エンプラコンパウンド事業の強化を進めている。特にナイロン66樹脂は、自動車分野の用途も多く、サーモフィルに旭化成のコンパウンド技術を導入して欧米への対応を強化する。 旭化成は、サーモフィルについては、主力PPコンパウンド事業の強化を継続すると同時に、エンプラコンパウンド事業も大きな柱として育成、5年後には生産能力を18万トン規模に倍増させるイメージを持っている。 一方で、アジア地域では日系コンパウンダーと協力してコンパウンド事業を展開しているが、昨年100%子会社化したAPT(旭化成プラスティックス(タイランド))も年内をめどに5,000トン増強、2万トンに拡大する予定だ。 旭化成は、欧米のコンパウンド拠点を整備することにより、サーモフィル(欧米)、APT(アジア)、延岡プラスチック(日本)の4拠点でグローバルな供給体制の構築を目指す。 |