2000年08月23日 |
ポリアセタール、当面具体的な新増設計画なく需要の成長待ち |
世界の生産能力は69万2,000トン |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:ポリプラスチックス |
POM(ポリアセタール)は、今春マレーシア・クアンタンで稼動したポリプラスチックスの新設備を最後に、世界的に見ても具体化している新増設計画が見当たらない。ただし、供給過剰と経済危機の影響を受け低迷していたアジア市場も昨年後半から回復傾向にあり、今後完全に需要が回復、さらに新規用途開拓などを含め再び成長しはじめれば、いくつかの新増設計画が具体化していく見通しだ。 現在、世界のPOM生産能力は年産69万2,000トンで、内訳は日本が3社合計で16万4,000トン、日本を除くアジアが17万7,000トン、米国20万2,000トン、欧州14万9,000トンとなっている。 日本を含むアジア地域は、設備が集中による供給過剰と競争の激化に加え通貨危機の影響もあってここ数年は厳しい状況が続いていたが、昨年後半から需要が回復、日本のメーカーも昨年末から今年にかけて数度にわたって輸出価格を引き上げるなど、状況は改善しつつある。 現在、具体化している新増設計画は見当たらないものの、韓国のKTPやタイ・ポリアセタール(TPAC)などは、将来的には能力の倍増を検討していく方針で、今後需要の完全な回復、また成長に期待している。 POMは、他のエンジニアリングプラスチックに比べ突出した性能はないものの、機械的特性、耐摩擦摩耗性、耐疲労性、耐熱性、耐薬品性などのバランスが取れた樹脂であるが、新規用途に乏しいのが現状で、今後新たな市場の開拓が望まれる。 <参考>※http://www.c-nt.co.jp/cgi-bin/passFile.cgi?FILE=data/pj/pjpom>世界のポリアセタール設備計画 ※Eメールサービス会員の方のみご利用いただけます |