2017年02月15日
東レ、屋内センサー向け高効率薄膜太陽電池開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:東レ

東レは15日、有機薄膜太陽電池モジュールを開発し、無線センサーに搭載して実証試験を行った結果、シリコンに代表される従来の無機系太陽電池では難しかった屋内の蛍光灯照明のような暗い場所でも安定に駆動する優れた性能を示すことを確認したと発表した。無線通信ネットワークシステムで不可欠となる自立型電源として、実用化に向け完成度を高めるとともに、2019年近傍の事業化を目指し、ユーザーと連携して開発を加速させる方針だ。

東レは、単層素子としてすでに世界最高レベルの10%超え(太陽光)から20%超え(屋内光)の変換効率を達成している有機薄膜太陽電池をベースに、高品質発電材料の合成技術や製膜溶剤の無塩素化など実用プロセスを構築し、無線センサー向けの有機薄膜太陽電池モジュールを開発した。これは、従来の屋内用アモルファスシリコン太陽電池モジュール(a-Si)に比べ、直射日光が当たらない低照度環境において最大で約2倍の発電量を実現した。
さrに、同開発品を搭載した無線センサーによる照明制御の実証試験を同社内で実施した結果、長期間安定して駆動するだけでなく、a-Siがデータ送信可能となる明るさの約2分の1の明るさの下でも安定してデータ送信することが確認できた。
この開発品は塗布プロセスで製造が可能であり、さまざまな形状の太陽電池が低コストで作製できることから、あらゆる場所に設置が想定される無線通信デバイスへの最適な電源になると期待とされている。