2000年08月22日
東亞合成、アクリル酸の値上げ交渉が大詰迎える
アクリル酸エステルの輸出価格も段階的に引き上げ
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:東亞合成

 東亞合成は、アクリル酸および同エステルの採算改善を図るため、国内外での値上げを進めているが、国内では先に決着したエステルに続きアクリル酸の交渉も大詰めを迎えており早急な決着を目指している。
 アクリル酸および同エステルの国内値上げは、3月末に原料高騰の採算是正を目指し、それぞれキロ10円、20円幅で打ち出していたもので、エステルについては5月下旬実施で約15円で決着している。
 アクリル酸についてはSAP(高吸水性樹脂)向けを中心に強い抵抗が続いているものの、依然としてナフサなど原料高止まりが続いていることもあり、早急な決着を目指す。
 一方、輸出については、昨年3月にシンガポールの生産設備が立ち上がったことから、日本から行っていたアクリル酸エステル年間数万トンの輸出を、同拠点からの供給に切り替えているが、価格についてもユーザー毎に段階的に引き上げ、現在はCFR・トン1,000ドル水準としている。しかし、原料価格を考えると依然として採算的に厳しいとして引き続き引き上げを行っていくことになるとしている。
 また、国内のアクリル酸エステルの再値上げについても、ナフサ、アルコールなどの原料価格の動向を見極め、慎重に検討していく。
 同社では9月初旬から10月中旬まで名古屋工場でアクリル酸エステルの定修を実施するが、11月にはシンガポールでも定修が予定されており、年末にかけて一段と需給が締まってくるものと見ている。