2017年03月01日
三井物産、欧州最大手の硫黄・硫酸販売会社を買収
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三井物産

三井物産は28日、カナダ・オンタリオ州トロントで工業用無機薬品・水処理剤の製造販売を行うケムトレード社(マーク・デービス社長)との間で、ケムトレード社が100%株式を保有する欧州の硫黄・硫酸販売会社であるスイス・ツーク州のケムトレード・アグロビス社(ビート・ヘラ―社長)の全株式を取得する買収契約を締結したと発表した。

アグロビス社は、自社保有するタンクターミナルなどの物流資産を活用し、硫黄および硫酸の物流サービスを提供する欧州最大手の硫黄・硫酸販売会社。サプライヤーである製油所や非鉄金属製錬メーカー、域内の顧客とは長年にわたる取引関係を築いており、安定した事業基盤を確立している。

硫黄・硫酸は、石油・ガス精製や金属製錬過程で製造される併産品である一方、需要家にとっては肥料・農薬、飼料添加物、繊維や顔料原料などの化学品を製造するうえで欠かせない基礎原料となっている。輸送には特殊な専用物流手段(船やタンクなど)が必要だが、三井物産はグローバルに展開する特殊物流資産とトレーディング網を有し長年にわたり極東・アジア・中東など世界各地域で硫黄・硫酸物流を展開してきた強みを持つ。

三井物産では、今回の買収により欧州における硫黄・硫酸事業を拡大し、グローバルでの安定引取・販売機能を強化するとともに、今後より一層、エネルギー産業、非鉄金属産業および農業・化学産業の発展に貢献していく方針である。