2000年08月21日
ポリエステル原料、中国の重合設備増設で引き合い回復
PTAは上昇基調、EGは米国での不凍液の動向次第
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:三菱化学

 アジアのポリエステル原料の低迷が続いているが、9月から10月にかけて中国国内の重合設備の新増設が相次ぐことから、原料のEG(エチレングリコール)、PTA(高純度テレフタル酸)の引き合いが回復してきている。
 アジアのポリエステル原料市場は、中国のポリエステルチップ、製品の輸入減少などから韓国、台湾の重合メーカーが大幅減産を実施したことから5月以降急速に引き合いが減少していた。こうしたことからEG、PTAともにスポット市況を中心にアジア市況も軟化が続いており、現在はEG、PTAともに採算割れ状態となっている。
 こうした中、三菱化学ではPTAの8月価格を560ドルへ引き上げを打ち出すなど市況立て直しに動いているが、EGではSABICなどが4ヶ月連続での値下げをオファーするなど依然厳しい状況となっている。
 しかし、ポリエステルチップについては、韓国の国内価格が上昇に転じるなど回復の兆しが出始めており、年末に向かってようやく上昇に転じるとの公算が強まってきている。
 業界筋では、PTAについてはようやく上昇基調に転じたものと見ており、EGについても原料価格、遅れている米国での不凍液向けがシーズン入りすることを考えると、現在が底値との見方が支配的となっている。