2017年03月27日
NEDO、製鉄プロセスでのCO2排出30%削減に見通し
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(環境/安全)
【関連企業・団体】:なし

NEDOは新日鐵住金、JFEスチール、神戸製鋼所、日新製鋼、新日鉄住金エンジニアリング各社とともに新たに建設したパイロット規模(容積12m3)の試験高炉で、CO2削減・分離・回収技術の有効性を確認し、製鉄工程でCO2排出量30%削減という目標達成が見えてきたと24日発表した。
試験高炉は昨年、新日鐵住金・君津製鉄所(千葉県)に完成。水素を鉄鉱石の還元材として利用することでコークスの使用量を削減し高炉からのCO2排出量を削減する技術と、高炉ガス(BFG)からCO2を分離・回収する技術の実証を行ってきた。これまでに試験操業を2回行い、水素還元などの送風操作による炭素消費原単位の削減を確認した。

NEDOプロジェクト「環境調和型製鉄プロセス技術開発」STEP2(2013~17年度)による成果で、これによりCO2排出量30%の削減目標達成に向けて大きく前進した。

NEDOはBFGからのCO2分離・回収については、低い温度での反応性に優れた吸収液の開発などにより、CO2の1トン当たり分離・回収コストを2000円以下にする目標を立ててきたが、達成の見通しが得られた。2030年頃までに技術を最終確立し、2050年までの実用化・普及させたいとしている。