2017年03月29日
積水化学、薄くて軽い「フィルム型太陽電池」事業化へ
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:積水化学工業
世界初・フィルム型太陽電池

積水化学工業は29日、フィルム型太陽電池の「ロール・ツー・ロール」量産技術を世界で初めて完成し、パイロット生産機を同社つくば事業所(茨城県)に導入したと発表した。乾電池などと競合する新タイプの電源として注目される。パイロット機は年産能力2万平方メートル。今年度中に発売開始の予定。2025年度には売上高100億円をめざす。

今回完成したのは、室温プロセスによるフィルム型色素増感太陽電池の「ロール・ツー・ロール」量産技術。
特長として(1)低照度(照度500ルクス以下)で発電が可能 (2)薄い(1ミリ以下)ため場所をとらない(3)軽く(ガラスの1/10)持ち運びが容易 (4)曲がるため曲面にも自由に設置できる(5)貼れるので取り付けが簡単、など従来の電池とはイメージも使い方も全く異なる。

25センチ角のフィルム1枚で200ルクスの照明が得られる。ロール状に巻きとりながら連続生産するのでコスト負担がかからない。在庫管理や物流面でも効率に優れる。製品寿命は約3年。用途開発はこれからだが、当面は電子広告やIoTセンサーの電源など、わずかな明かりを電源として利用できる分野がまず有力。乾電池やボタン電池などの代替分野がターゲットになりそうだ。販売価格は未定だが「やはり競合品を意識した価格になると思います」(同社広報室)と言っている。


ニュースリリース
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1490766402.pdf