2017年04月06日
東北大学、材料の強さの仕組みをスパコンで解析
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:東北大学

東北大学金属材料研究所の毛利哲夫教授と産総研、大阪大学などの共同研究グループは6日、スーパーコンピューターを使い材料の強さをマルチスケールで解析し、効率的な材料設計を可能にする手法を開発したと発表した。
建物や輸送機器などの構造材料に不可欠な「強さ(強度)」の仕組みを電子状態(ナノ)、原子配列(ミクロ)、細胞組織(メソ)というマルチスケールで解析する手法を確立した。

材料の強さは、原子間の結合の強さと原子配列の乱れ(欠陥)に大きく影響を受ける。研究グループは、材料の強さというマクロレベルの現象をスパコンを使ってミクロレベルで解析してみた。これまでも原子の結合力に着目した材料の強さは知られていたが、今回は「強さ」の背後に磁性の効果など多様な物理が関与していることを初めて明らかにした。さらに欠陥の周囲の原子の位置や動きを可視化することにも成功した。

今後スーパーコンピューターを用いた、材料設計の緻密化、効率化の促進につながることが期待される。
同成果は「npj Computational Materials-Nature」(3月10日)に掲載された。