2000年08月15日 |
日本-シンガポール「自由貿易協定」会合28日開催 |
初の2国間協定実現に向け本格スタディ |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:トヨタ自動車 |
日本とシンガポールの自由貿易協定(FTA)に関する4回目の合同会合が28、29の両日東京で開催される。日本にとっては、WTOの枠組みを超えた、初の貿易協定となるため成り行きが注目される。 合同会合のメンバーは、それぞれ官学産の代表10数人で構成、関税問題をはじめ投資促進、基準認証、競争政策、知的所有権、電子商取引きなど幅広い角度から現状や問題点などをスタディする。このあと、レポートをまとめ、今秋に予定されている両国首脳に向けて、自由貿易協定の締結交渉に入るよう「進言」したいとしている。 日本側のメンバーは外務、大蔵、通産3省の担当課長を共同議長に農水、郵政、運輸、金融を加えた8省庁担当官のほか、伊藤元重東大教授、長谷川康司トヨタ自動車常務ら学界、産業界代表合わせて13人。シンガポール側もほぼ同様のメンバーを編成し、3月から3回にわたり意見交換してきた。 日シ間の貿易高は、シンガポールからの日本の輸入が約6,000億円なのに対して日本からの輸出は約1兆8,000億円と、3倍の出超になっている。関税はシンガポール側はほとんどの商品がゼロなのに対し、日本側は農水産物、化学品、石油製品などにかかっており、全輸入高の約15%をこれらの関税品が占めている。こうしたことから、今後日本の関税見直しも議題の一つにあがるとみられている。 通産省では「欧州にEU、アメリカにもNAFTAがあり、日本だけ多国間貿易の枠組みの中にとどまっていいとは思わない。グローバル化が進む中で、2国間のより深い関係は今後ますます必要になってくる。これをきっかけに他の国や地域に自由貿易協定が広がっていく可能性もある」(通商政策企画室)といっている。 |