2000年08月11日
か性ソーダ、環境適応型の水・廃水処理向け需要拡大
半導体などハイテク工場での需要拡大目立つ
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:日本ソーダ工業会

 か性ソーダの国内需要成長が続いているが、環境適応型の水・廃水処理向けはじめ、半導体工場などハイテク工場での新規用途などが需要を押し上げているものと見られている。
 メーカー筋によると、か性ソーダの需要のうち数量が多く、用途もはっきりしているのは紙・パルプ向けだが、昨年から今年前半については国内景気の低迷もあり厳しい状況が続いている。こうした中で、目立って需要拡大が続いているのはハイテク工場などでの新規用途で、各製造段階での中性化・中和化用に環境面からか性ソーダの採用が進んでいるものと見ている。
 日本ソーダ工業会の今年上期の出荷内訳によると、数量の多い順では、無機化学工業向けが対前年同期比99.6%の30万3,689トン、その他化学用が同144.1%の26万7,836トン、紙・パルプが同93.9%の20万7,919トン、有機・石油化学用が同104.4%の20万1,435トンとなっており、その他化学用の伸びが目立っている。水・廃水処理向けも同115.1%の7万6,876トンで、2桁の成長となっている。
 下期についても、引き続き需要拡大が見込めるとされており、とくに紙・パルプ分野については生産の回復から前年を上回ることが期待されている。
 また、こうしたか性ソーダの新規需要拡大により、業界関係者でも正確な需要動向の把握が困難になりつつあるとしており、新たな分野分けによる統計作成が早急に求められるとしている。