2017年05月26日

NIMS、高い衝撃吸収力のマグネシウム合金を開発

【カテゴリー】：新製品/新技術 【関連企業・団体】：物質・材料研究機構

物質・材料研究機構（NIMS）は26日、染川英俊氏をリーダーとする研究グループが、室温で、鍵盤アコーディオンのような蛇腹状に変形可能なマグネシウム合金の開発に成功したと発表した。軽量で安全性の高い金属材料として、自動車などの軽量化に貢献すると期待される。 マグネシウムやマグネシウム合金は、金属材料の中で最も軽く、自動車や鉄道車両などの材料として注目されているが、室温でも大きな力を加えると壊れやすいという問題があった。今回、研究グループは極微量のマンガンを添加したマグネシウム合金を開発した。200℃程度に熱し押出し加工した。その結果、蛇腹状に変形し、クッションのようにエネルギーを吸収し、破壊が生じにくいことが分かった。既存材に対して3倍以上優れていることを発見した。色々な方向から力を加えても瞬時に破壊せず、変形しやすくなる。自動車や車いす、鉄道車両の座席、自動車のフレームなどに使用すれば軽量化につながる。 今後、この成果をもとに、安心・安全を確保するための衝撃吸収マグネシウム合金や、室温で複雑な形状に加工できるマグネシウム合金としての応用を目指す。 同研究成果は、日本金属学会欧文誌「Materials Transaction」のオンラインで5月26日に公開された。