2017年05月29日
淡輪・三井化学社長「成長3領域拡大に注力」
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三井化学
淡輪 敏社長

三井化学の淡輪敏社長は29日記者会見し、17年度の経営目標など当面している課題について語った。この中で「モビリティなど成長3領域の拡大に引き続き注力していく」と強調した。

まず、前中計最終年度となった16年度業績で、営業利益1,021億円と当初目標(600億円)を上回り最高益を更新したことについて「基盤事業再構築の効果が大きい。思った以上にいい数字を残すことができた」と振り返った。17年度から次の中計に入るが「次のステップは難易度が違
           う」と慎重に検討中のようだった。

17年度経営目標は数値を挙げて説明。売上高13,000億円(16年度12,123億円)、営業利益980億円(1,021億円)で、ROE13%以上(8%)、配当金16円(14円・記念配2円含み)を目指す。投融資は前中計(14~16年度)の1,580億円から2倍以上の3,500億円に拡大する。このうち65%を成長投資に充てる。「需要に応じた成長投資をやっていく。大型案件やM&Aもやりたい。候補もあがっているがぎりぎりまで決めない。慎重にやりたい。“飛び地”には出ていかない」。

成長領域は「モビリティ」「ヘルスケア」「フード&パッケージング」の各セグメントでそれぞれに戦略は構築済みだ。モビリティでは柱のPPコンパウンドの生産力が日米欧アジアなど世界計で1,050KTAに達した。「需要に合った増強」で17年度以降さらに1,150KTA体制を目指す。自動車向けでは最軽量の内装表皮材、無塗装エアバッグカバーなどの新製品を開発しており今後販売展開を加速する。

ヘルスケア部門では不織布事業を拡大中で、タイに続き四日市に増強、名古屋に新拠点の同時工事中。「基盤素材事業は再構築して体制が整ったといっても終わりではない。もっとやることはないかと考えながら競争力をつけていく」と、競争力の強化をポイントに挙げた。