2000年08月10日 |
東洋スチレン、特殊グレード販売強化で高付加価値化推進 |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:新日鐵化学、東洋スチレン |
東洋スチレンは、原料価格の上昇などによりコストが上昇していることから、9月21日出荷分からキログラム当たり10円の値上げをアナウンスし、交渉を進めているが、一方で、特殊グレードの販売を強化し、高付加価値化を推進することにより採算を確保していきたい考えだ。 販売の強化を考えている特殊グレードの一つとしては、高光沢グレードのXLなどがある。XLは、旧新日鐵化学が開発したグレードで、ABS樹脂の高光沢グレードに匹敵する良外観性を持ちながら、バランスの取れた物性を有している。優れた性能を持っているものの、これまで満足する売り方をすることができなかったとして、今後積極的な販売を目指す。このほか同社では、PP(ポリプロピレン)対抗グレードや、耐熱グレードなどの販売も強化していく方針だ。 一方、値上げについては、これまでに実施した3回の値上げは必ずしも満額を実現できたわけではなく、特に年初からの原料価格の値上がりにともなうコストアップにより汎用グレードを中心に採算が圧迫されているのが現状であり、今後も原料価格の高止まりが続くと判断、7月26日付けで10円の値上げを発表した。同社では、高付加価値戦略を進める一方で、夏休み明けからはさらに積極的に値上げ交渉に取り組んでいくとしている。 |