2017年06月08日 |
東北大、高温による筋細胞の崩壊メカニズム解明 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:東北大学 |
東北大学大学院の東谷篤志教授(生命科学研究科)らの研究グループは8日、ヒト熱中症のモデル系として、線虫を使った実験で、高温ストレスによる筋細胞の崩壊メカニズムを解明したと発表した。 高温によりカルシウム濃度が過剰に反応し、その結果ミトコンドリアの断片化が生じ、ミトコンドリアの機能が失われて筋原線維の崩壊へ向かうことを明らかにした。 熱中症は、気温が高く多湿な環境下で長時間活動することで深部体温が上昇した際に生じ、めまい、倦怠感、けいれん(筋攣縮)などの症状を起こす。最悪の場合は筋細胞内成分が血中に流出し、尿細管を閉塞、腎不全を来たし死に至る恐れがある。今回の研究成果は、人の熱中症による重症化症状の予防につながることが期待される。 同研究は、文部科学省の助成「新学術領域研究」および「革新的先端研究開発支援」を受けて行われた。 研究成果は米国遺伝学会誌「Genetics」6月1日付でEarly onlineとして掲載された。 |