2017年06月14日
産総研、高効率ガリウムヒ素太陽電池を低コストで製造
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:産業技術総合研究所

産業技術総合研究所は13日、同所の太陽光発電研究センターと大陽日酸、東京農工大学の3者が「高効率ガリウムヒ素(GaAs)太陽電池」を低コストで製造できる技術を共同開発したと発表した。

太陽電池の発電効率を高める次世代技術として、複数の種類の太陽電池を積層させた多接合太陽電池の開発が盛んだが、GaAs太陽電池の場合、高価な有機金属を用いるため製造コストが高く、低減技術が求められていた。
3者は今回、これまでの有機金属気相成長(MOVPE)装置と比較して、大幅なコスト低下を実現できるハイドライド気相成長(HVPE)装置を用いた成膜技術に着目し、高速に成膜できる太陽電池用のHVPE装置の開発に取り組んだ。成膜機構にはマルチチャンバー方式を採用し、製造する太陽電池の大型化・大口径化につながるよう装置の構造を水平置き縦型とした。この結果、全面均一性に優れ、GaAs太陽電池としては世界トップレベルの発電効率20.3%を実現した。今後、太陽電池製造用HVPE装置の製品化の後押しとなることが期待される。

同研究の成果は、つくば国際会議場で6月13-14日開催のAIST 太陽光発電研究成果報告会2017で発表される。