2017年06月20日 |
「植物成分から低コストナイロン原料」弘前大など |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:科学技術振興機構 |
弘前大学の園木和則准教授(農学生命科学部)と長岡技術科学大学院の政井英司教授(工学研究科)らの研究グループは19日、植物成分のリグニンだけでナイロン、ポリエステルなどのポリマー原料であるcis-ムコン酸を効率的に生産する微生物開発に成功したと発表した。 遺伝子組換えにより特殊な代謝経路へと改良した微生物を用いて生産する。微生物の増殖に必要な炭素源がリグニンであるため、生産コストの低減が期待できる。開発した微生物株を用いてスギ(針葉樹)とシラカバ(広葉樹)のリグニンからムコン酸を生産した。 微生物を用いてリグニンからムコン酸などの化合物を生産することは、これまでもできたが、増殖に炭素源として糖質が必要だった。今回開発した微生物は、増殖の炭素源にもリグニンが利用できる特徴を有する。リグニンのみを用いることで生産コストの低減が可能となる。 同研究はJST戦略的創造研究推進事業 先端的低炭素化技術開発(ALCA)の一環として行われた。 |