2017年06月29日
阪大院、医薬品などの複雑な骨格を迅速構築
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:大阪大学

科学技術振興機構(JST)は、大阪大学大学院工学研究科の生越専介教授の研究グループが工業原料のフェノールから、ヒドロナフトフラン骨格をわずか2段階で合成する手法を開発したと発表した。

ヒドロナフトフラン骨格は、抗腫瘍剤や解熱鎮痛剤、殺虫剤など多くの生物活性化合物に含まれる重要な骨格。今回研究のカギとなった技術は、ニッケル化合物を用いた不斉非対称化反応で、これを開始反応として、連続する5つの炭素の3次元構造が7精密構築され、ヒドロナフトフラン骨格が形成される。
同手法により医薬品や農薬、天然物に含まれる複雑な骨格を安価で汎用的な原料から短工程で効率的に合成することが期待できる。JST 戦略的創造研究プロジェクトの一環。

同研究は「Nature Communications」誌(6月26日付)に掲載された。