2017年06月29日 |
経産省「世界の石油化学製品の今後需給動向」発表 |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:経済産業省 |
経済産業省素材産業課は29日、「世界の石油化学製品の今後の需給動向」(2008年~2021)を発表した。メーカー、商社、金融機関などで構成される研究会がWGを設置して調査、集計を行った。エチレン系はエチレンをはじめPE SM、PS、EDC、VCM、PVCの各誘導品、プロピレンは同じくPPやAM、ほかに芳香族製品について内外の動向をまとめた。 【中国の石炭化学の動向】 中国の石油化学プロジェクトは原料価格高値時に計画が後退し、石炭化学プロジェクトへのシフトが進んだ。2017年末までに19プロジェクト(約600万トン)が実行される見込み。だが原料価格の値下がりや国内の環境規制強化、原料メタノールのコスト高の影響など、ナフサに対するコスト競争力が低下している。今後どの程度実行されるかは不透明な状況。一方エチレンの生産能力は、新規プラント計画が打ち出されており、2015年の2.2千万トンから、21年には3.6千万トンまで拡大する見通し。 【米国シェール革命の影響】 シェールガス由来のエチレン新増設プロジェクトは、原油価格の値下がりで優位性の低下や建設コスト上昇などの影響を受けたが、ナフサに対する絶対的な価格競争力は変わらない。シェールガス由来のエチレンプラント2017年秋以降本格化する見込み。その結果、国内のエチレン生産能力は2015年の2.9千万トンから2021年には4.0千万トンに増加する見込み。 【世界の需給見通し】 世界全体のエチレン誘導品の需要の伸び率は、堅調な中国内需とASEANの伸びに支えられ、引き続きアジアが需要の伸びを牽引する。22015~21年まで平均年率3.0%となる見通し。プロピレンも同様平均伸び率は3.4%と推定される。 世界の石油化学製品の需給動向(総論) http://www.meti.go.jp/press/2017/06/20170628004/20170628004-1.pdf 同上(国別データシート) http://www.meti.go.jp/press/2017/06/20170628004/20170628004-2.pdf |