2017年08月02日 |
理研、制御性T細胞の新しい免疫抑制メカニズム発見 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:理化学研究所 |
理化学研究所は2日、総合生命医科学研究センターの早津徳人研究員らの研究チームが、マウスを用いて転写因子のBATFが制御性T細胞による免疫制御に重要な働きをしていることを発見したと発表した。 研究チームは、ヒトIPEX症候群で見つかっているFoxp3変異に着目し、変異を導入した遺伝子改変マウスを作製して変異がFoxp3の機能とTreg細胞に与える影響を調べた。その結果、一つの変異体(384番目のアラニンがスレオニンに置換されたA384T変異体)が、皮膚や肺などの特定の非リンパ組織におけるTreg細胞の機能を選択的に障害することにより、それらの組織に炎症を引き起こすことを明らかにした。さらにこの組織におけるTreg細胞の機能異常の一因はA384T変異体による転写因子BATFの発現抑制であることがわかった。 今回の成果は、Tregによる免疫抑制メカニズムの一端を明かにするものであり、自己免疫疾患、炎症性疾患、アレルギー疾患、がんなどの発症メカニズムの解明と新しい治療薬法の開発に貢献すると期待できる。 同研究成果は、米国の科学雑誌「Immunity」(8月15日号)掲載に先立ち8月1日付(日本時間8月2日)オンライン版に掲載される。 |