2017年08月24日
九大、重水でミドリムシの光合成能力調べる方法開発
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:九州大学

九州大学大学院 工学研究院の与那嶺雄介特任教授らの研究グループは24日、重水を使って藻類の一種であるミドリムシの光合成能力を調べる方法を開発したと発表した。

ミドリムシは光合成によって水と二酸化炭素から糖類を生産する。ストレス環境下ではこの糖類をパラミロン顆粒として備蓄し、バイオ燃料にも使える油脂に転換する。光合成能力の高いミドリムシ個体を探し出すことができれば、再生可能なエネルギーの実用化を促進できる。
研究グループは光合成の原料となる水の代わりに、通常の水素よりも重い「重水素」を持つ水(重水)を使って、光合成により重水素をミドリムシに取り込ませた。ラマン分光法を原理とした顕微鏡で観察したところ、重水素標識された個体を見分けることができた。
同研究は、内閣府革新的研究開発推進推進プログラム「セレンディピティの計画的創出による新価値創造」の支援を受けて行った。
同研究成果は8月18日にWiley Online Librtryの「ChemBioChem」オンライン版に掲載された。