2017年09月05日
京大、新規免疫細胞の生存シグナルを解明
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:京都大学

京都大学医学研究科の前川平教授らの研究グループは4日、マウスを用いて体内で免疫を担うマクロファージや樹状細胞の元である、単球という細胞の存在に重要な役割を果たす遺伝子C/EBPβを特定したと発表した。

白血球の一つである単球は、骨髄でつくられた後に血液中や組織に供給され、組織中のマクロファージや樹状細胞の元になる免疫担当細胞。研究グループはC/EBPβという遺伝子を欠損させると単球が大幅に減少すること、なかでも最近その存在が明らかになった「非古典的」単球が大幅に減っていることを見出した。

このことはC/EBPβが非古典的単球の生存に必須であり、単球の数の維持に重要な働きをしていることを意味している。同研究成果はは単球の数の制御機構を明らかにしただけでなく、非古典的単球のさまざまな疾患への関与や病態の理解・治療の開発に有用と考えられる。


同研究成果はは8月16日に米国の科学雑誌「Blood」オンライン版に掲載された