2017年09月08日
東北大学「フラット・シリセン」の構成単位構築
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東北大学

東北大学は8日、大学院農学研究科の高橋まさえ准教授がこれまでとは全く異なる着想によって、ジグザグ構造をとるケイ素2次元シート「シリセン」を、グラフェンと同じようにフラットにできる構成単位の構築に成功したと発表した。

2010年にノーベル物理学賞の対象ともなったグラフェンは、炭素原子で作られるフラットな2次元シートで、その多彩な物性が多くの科学者を魅了してきた。同様の化学的特性を持つはずのケイ素原子でも単層2次元シートの「シリセン」ができると予想されたが、多くの努力にもかかわらず現在のところ実現されていない。

今回、ベンゼンとヘキサシラベンゼンの相違を徹底的に調べ、従来とは全く異なるアプローチで、フラットシリセンの構成単位の構築に成功した。これによりグラフェンと同じように安定な単層シリセンの実現に一歩踏み出したことになる。さらにシリコンテクノロジーを駆使することで、グラフェンを超える優れた物性を有する2次元材料の創出が期待される。

同研究成果は9月7日、英国のオンライン科学雑誌「Scientific Reports」に掲載された。