2017年09月11日 |
首都大と東大、温度勾配に対する膜の特異応答 発見 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:東京大学 |
首都大学東京・理工学研究科の栗田玲准教授、東京大学・生産技術研究所の田中肇教授らの研究グループは、温度勾配中の界面活性剤系膜の挙動を調べた結果、平衡状態の常識に反して、低温側で揺らぎが増大するという現象が起きていることを実験的に見い出したと発表した。 温度勾配によって物質が移動することは、これまでも知られていた(Ludwig-Soret効果)が、研究対象は物質が液体中に孤立分散している系に限られていた。今回研究の特徴は、膜という2次元的な幾何学的制約を受けた連続的な構造(連結系)に対する温度勾配効果を調べた点にある。 これにより膜が端から端までつながっているという制約のために、温度勾配によって低温側に膜が寄せられ、その結果膜がたわみ、揺らぎが揺らぎが増大することが明らかとなった。今後、ゲルや膜上でのタンパク質分子の輸送に対する温度勾配効果の解明につながる可能性がある。 同研究成果は米国物理学会発行の「Physical Review Letters」(9月8日)に掲載された。 |