2017年09月15日 |
理研、病原体センサーの機能を変える糖鎖を発見 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:理化学研究所 |
理化学研究所は15日、糖鎖研究チームの谷口直之チームリーダーらの共同研究チームが、自然免疫反応においてさまざま病原体を認識し、重要な役割を果たすTOll様受容体(TLR4)の働きが、たった1つの糖の有無で大きく変わることを見いだしたと発表した。 今回、共同研究チームはTLR4を介する自然免疫での糖鎖の役割を明らかにするため、「コアフコース」という糖に着目した。コアフコース欠損細胞を用いてTLR4のリガンド(受容体と相互作用する物質のこと)であるリポ多糖(LPS)で刺激したところ、2種類のTLR4シグナル伝達経路のうち1種類からインターフェロン-β(IFN-β)の産生が特異的に抑制されることを見いだした。 (IFN-β)は、免疫機能を活性化し感染防御に重要な役割を果たすことが報告されている。そのメカニズムを詳しく解明することで感染症や腫瘍に対する効率の高い治療法の開発につながると期待される。 同研究成果は、英国の科学雑誌「Glycobiology」(8月29日号)に掲載された。 |