2017年09月21日

東北大学、透明フレキシブルな太陽電池開発

【カテゴリー】：新製品/新技術 【関連企業・団体】：東北大学

東北大学大学院の加藤俊顕准教授（電子工学専攻）らの研究グループは20日、原子オーダーの厚みを持つシート材料である遷移金属ダイカルコゲナイド（TMD）を用いて透明でフレキシブルな太陽電池の開発に成功したと発表した。 透明フレキシブルな太陽電池が実現できることえで、現在主流のシリコンを用いた太陽電池では設置が困難だった車のフロントガラスやビルの窓、携帯電話ディスプレイ、人体の皮膚など、あらゆる場所に電太陽池を設置することが可能となり、実社会面で大きな技術革新が期待できる。ただTMDを使った透明太陽電池を大面積基板に作製する技術は開発されておらず、実用化に向けた大きな課題とされてきた。 今回、研究グループは、従来広く用いられているデバイス構造とは異なり、電極との仕事関数差により決定され るショットキー構造を利用したショットキー型太陽電池に着目した。電極構造を最適化した結果、透明なTMDを用いた太陽電池では世界最高の発電効率0.7%を達成した。さらに簡便な同手法を用いることで透明フレキシブルな大面積基板上での太陽電池作製が可能であることを実証した。これによりTMDを用いた透明フレキシブル太陽電池の実用化に大きな貢献が期待できる。 同研究成果は、英国科学雑誌「Scientific Reports」電子版に9月20日18時（日本時間）に掲載された。