2017年10月04日
旭化成など「嗅覚センサー」標準化へフォーラム結成
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:旭化成、物質・材料研究機構

 物質・材料研究機構(NIMS)と大阪大学、旭化成などの企業計7機関は4日、嗅覚IoTセンサーの業界標準化に向けて、11月1日付で「MSSフォーラム」を発足させると発表した。香りやにおいに対して高い感度や識別能力をもつセンサーを開発し、業界標準化を図るのが目的。企業ではほかに住友精化、京セラ、日本電気、NanoWord(スイス)の5社が参加中だが、今後さらに公募して増やす。
 
 MSSとは、NIMS国際ナノアーキテクトニクス研究拠点(MANA)の吉川元記グループリーダーを中心とした国際共同研究によって2011年に開発されたセンサー素子のこと。この素子のメンブレン部分に被覆してガス分子を吸着させた「感応膜」は、香りやにおいの元になる多様なガス分子に対応可能となる。超小型、超高感度のため食品・環境・医療・安全対応など、さまざまな分野に利用できる。
 
 2015年に産学官共同で要素技術研究を行う「MSSアライアンス」を立ち上げ、センサーデバイス、感応膜材料、精密評価システムの開発や計測データ分析・解析などで成果を得た。
 
 新たに発足するフォーラムでは、これらの成果をもとにMSS標準計測モジュールを使用し、農業・畜産業・ヘルスケア、建材などさまざまな分野で香りやにおいの検知・識別能力の実証実験を行い実用化を加速する。
 
 10月4日~6日、幕張メッセ 国際展示場(ホール7)に「MSSアライアンス展示ブース」を設け活動状況や実証実験に関する事例紹介を行う。技術講演会なども開催する。