2002年03月28日
三菱化学もSMの値上げを発表
4月1日出荷分からキロ15円引き上げ
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:旭化成、三菱化学

 三菱化学は28日、スチレンモノマー(SM)の国内需要家向け価格を4月1日出荷分から1キログラム当たり15円引き上げると発表した。平均同80円に底上げすることになる。
 
 値上げの理由については、出発原料ナフサの高騰に伴うエチレンやベンゼンの価格の急上昇によって収支バランスがさらに悪化しつつあるためと説明している。旭化成や出光石油化学などと同様、ほぼ1年半ぶりの価格修正となる。
 
 同社によると、4月の国内ナフサ価格は今年第1・四半期より25%高い1キロリットル当たり2万4,000円となる見通しで、エチレンの大幅コストアップは避けられないとしている。また、ベンゼンの価格も、重要な指標となる米国の第2・四半期の契約価格が第1・四半期より40%強高い1ガロン当たり125セント以上に引き上げられる見込みとなっていることもあり、これも国産品の値上げが必至という。
 
 SMの価格はここにきて世界各地で急上昇している。アジア地域を例に取ると、直近のスポット契約価格のなかにはCRFトン当たり750~760ドルといった高値も散見される。1ヵ月で250ドル前後上がった勘定だ。需給が特にタイトな欧米では同1000ドル台のオファーも見られる。
 これには、各種原料価格の大幅アップに加えて、世界全体の需給バランスが急速にタイトとなってきたことが大きく作用している。その要因としては、(1)中国、米国、西欧各国など広い範囲で需要が活発化していること(2)欧米で大型SMプラントが相次いでトラブルを起こして運休していること(3)日本や韓国などで春の定修が集中的に実施されていること--などが挙げられえる。このため日本からの輸出量もにわかに拡大しており、最近は各社ともフル稼働の状況にある。