2017年12月11日
東ソー・山本社長、17年度上方修正 純利益820億円
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:東ソー
山本寿宣社長

東ソーの山本寿宣社長は8日の経営説明会で、17年度の通期業績について「石油化学、クロル・アルカリ、機能商品の3本柱がいずれも好調」と、前回発表した業績予想を上方修正した。

見直し後の売上高は8,000億円で前回予想に対して300億円上積みした。営業利益は1,180億円(前回1,000億円)、経常利益1,200億円(1,000億円)、純利益820億円(680億円)といずれも大幅修正。3期連続の最高益更新は確実。
好調の要因として山本社長は、ナフサ価格の上昇に伴う石化製品の値上げ浸透や、MDI、塩ビ樹脂などの海外市況改善を挙げた。ジルコニア、EDAなどの機能商品も販売を伸ばした。バイオサイエンス関連も好調だった。

設備投資額は1,600億円(16~18年度合計)で変更はない。山本社長は「コモディティ分野は規模の拡大ではなく効率化など競争力強化に向けた投資に集中する。スペシャリティ製品は、成長事業拡大を図る。M&Aに300億円の投資を予定している」などを基本戦略として示した。
主な投資案件としてジルコニア(四日市)、ハイシリカゼオライト(マレーシア、南陽、四日市)、塩ビ樹脂増強(フィリピン)、ナフサ分解炉効率化(四日市)などを挙げたが、M&A投資については「検討中のものは数十件あるが、最終段階といえるものは1件もない」と明快だった。

今後の見通しについては「ナフサ価格の動向や製品の需給動向などを慎重に見極める必要がある。今は基盤強化に注力する。大型投資は19年度以降になる」と強調。19年度からの次期中計に早くも照準を定めているようだった。