2018年02月02日
東大、発達期のシナプス刈り込みを調整する分子発見
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東京大学

東京大学大学院医学系研究科機能生物学専攻の狩野方伸教授と上阪直史・同助教らの研究グループは2日、発達期の小脳において、前頭側頭型認知症の関連遺伝子グラニュリンが、シナプス刈り込みを調整することを発見したと発表した。

生後発達期のマウスの小脳において、認知症関連遺伝子グラニュリンが不要な神経結合(シナプス)の除去を遅らせるとともに、必要なシナプスを強めることが明らかとなった。グラニュリンが老年期の脳だけでなく、発達期の脳においても重要な働きをしている点にこの発見の新規性がある。

プログラニュリンが発達期においてシナプスの要不要を選別するという、この分子の新たな機能の解明により、生後発達期の機能的神経回路形成のメカニズム解明に貢献することが期待される。

 研究の詳細は、アメリカ東部標準時間2月1日にNeuron誌のウェブサイトに掲載される。。

同研究は、科学研究費補助金の助成を受けた。また、日本医療研究開発機構(AMED)の「革新的技術による脳機能ネットワークの全容解明プロジェクト」及び「脳科学研究戦略推進プログラム」の一環として実施された。