2002年03月27日
旭硝子、経営体制刷新へ「執行役員・カンパニー制」導入、初の社外役員も
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:旭硝子

 旭硝子は27日、執行役員制、カンパニー制の導入を柱とした、経営体制刷新を決めたと発表した。同社は「シュリンク・トウ・グロー(Shrink to Grow)の経営戦略の下、体質の強化と事業構造の改革を進めてきたが、グローパル規模でのグル-プ連結経営を強化して株主価値経営の一層の推進を図るため、経営体制を刷新することにした。これに伴う役員異動人事も内定した。
 
 今回の刷新により、取締役は現在の20名から7名に大幅減少し、社外取締役として初めて慶應義塾大学の島田晴雄教授と日本アイ・ピー・エムの北城恪太郎会長を迎える。発表内容は次の通り。

(1)取締役会の改革及び執行役員制の導入(6月未開催予定定時株主総会終了後に実施)
◇経営の「監視」と「執行」を分離して、経営の監視機能を強化するため、取締役会の改革を行うとともに執行役員制を導入する。

◇取締役会の改革については、その役割を「旭硝子グループの基本方針承認と経営執行の監視機関」と定義し、旭硝子単体だけでなくグループの基本方針・重要事項について審議するとともに、旭硝子グループ全体の立場に立った経営の監視機能に集中する。取締役会の構成等を以下の通り改める。

・社外取締役を選任する。
・取締役の任期を1年とする。(現行2年)
・役付取締役を廃止し、取締役会議長を置く。
・取締役会付議基準を見直し、権限の明確化、審議の充実を図る。

◇一方、グループの経営及び事業の執行を担う役割として、新たに執行役員制を導入する。執行役員は、その代表である社長執行役員の指揮命令の下で、分担して業務執行の責任を負う。社長執行役員の経営執行権限を強化して意思決定の迅速化を図り、「スピード経営」を追求する。執行役員の構成等は以下の通りとする。
・執行役員は30名以内とする。
・執行役員の構成は、社長執行役員、副社長執行役員、上席執行役員及び執行役員とする。
・執行役員の任期は1年とする。

◇この経営システムの改革により、より戦略的かつ機動的な意思決定が可能となるとともに、経営の監視と執行の分離を徹底することにより、コーポレート・ガバナンス体制が一層強化・確立されるものと考える。

(2)カンパニー制の導入(4月1日より実施)

◇経営執行の体制面では、コーポレート機能と事業執行を明確に分離するため、カンパニ-制を導入する。コーポレートはグループ全体の企業価値最大化をミッションとし、事業執行の権限は大幅にカンパニーに委譲される。
◇4月1日付で、以下の4カンパニーを設置する。建築用板ガラス事業及び自動車用ガラス事業については、カンパニー内に地域本部をもつ形となり、完全なグローバルー体運営体制へ移行する。

・板ガラスカンパニー
現行の硝子・建材事業本部(除、窯業建材事業)、アジアの板ガラス事業、グラバーベル社(本社:ベルギー、以下GVB社)の板ガラス事業、AFGインダストリーズ社(本社:アメリカ、以下AFG杜)の板ガラス事業を統合。カンパニー本社はブリュッセルに置き、地域性の高い事業であることから3地域本部を設置する。

・自動車ガラスカンパニ-
現行の加工硝子事業本部、アジアの自動車用ガラス事業、GVB社の自動車用ガラス事業、AFG社の自動車用ガラス事業を統合。顧客ニーズに迅速に応えていくためグローバル一体運営を行い、地域を越えた機能別マネジメントと地域別マネジメントのマトリクス運営を行う。

・ディスプレイカンパニー
現行のディスプレイ事業本部の機能を引き継ぐ。CRTガラス本部とFPDガラス本部を設置する。

・化学品カンパニー
現行の化学品事柴本部の機能を引き継ぐ。事業統括本部と技術本部を設置する。

◇カンパニー制の導入により、それぞれのカンパニ一の長(カンパニ-プレジデント)が、明確な責任と権限の下、迅速な意思決定を行い、より自立的な事業運営をグローバルに行うことが可能となると考える。