2018年02月08日

NEDO「樹脂材料を補強、セルロースナノ繊維」開発

【カテゴリー】：新製品/新技術 【関連企業・団体】：NEDO

新エネルギー・産業技術総合開発機構（NEDO）は8日、高圧機器などを手がけるスギノマシン（本社：富山県魚津市、杉野太加良社長）が、樹脂材料を補強するセルロースナノファイバー（CNF）ドライパウダーの開発に成功したと発表した。また、富山県立大学との共同研究で、開発したCNFドライパウダーと樹脂を複合化した場合に、伸びや破断強度の向上など特異な強度特性が現れることを確認した。NEDO事業の成果。 セルロースナノファイバー（CNF）は、植物由来のセルロースを直径約20nm、長さ数μmにほぐして製造する最先端のバイオマスナノ繊維素材。鉄鋼の5倍の強度を持ち、軽さは5分の1と高強度・軽量性に優れ、森林資源を活用できる新素材として注目されている。今回スギノマシンは、セルロースCNFを自社技術で粉末化し、補強用フィラーの開発に成功した。従来困難とされていた樹脂やゴムとの複合化が可能となる。富山大学との共同研究により複合化物の引っ張り強度が増大するという、特異な強度特性が現れることを確認した。同成果は、樹脂やゴムなどの材料と複合化できるCNFの先駆けとなるとして期待される。 スギノマシンは、4月以降に開発品「BiNFi-sドライパウダー」のサンプル提供を開始し、樹脂以外の塗料、電子材料、化成品や自動車部材などへの応用に向けた開発に取り組む方針だ。 2月14日～16日、東京ビッグサイトで開催される「nano tech 2018」にサンプル品を展示する。