2018年02月14日 |
産総研、繰り返し使える光硬化性接着剤 開発 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:産業技術総合研究所 |
産業技術総合研究所は13日、機能化学研究部門の秋山陽久主任研究員らが、繰り返し利用可能な新しい接着剤を開発したと発表した。接着と脱着を制御でき、繰り返し使える光硬化性接着剤を開発した。この接着剤には、枝分れした構造の糖アルコールと、光に応答してお互いに結合する複数のアントラセンを組み合わせた、透明な液状物質を用いた。可視光で硬化して接着、150℃以上の加熱で液化して脱着が可能だ。光照射による硬化と加熱による液化を繰り返すことになる。この接着剤の利用で、接着のやり直しや接着後の材料の再利用などが可能になり、新しい複合材料プロセスの実現が期待される。 接着剤は、日常生活だけでなく、情報機器や家電、輸送機器など多くの産業分野で広範囲に利用されている。光硬化性接着剤の場合は、室温で塗布でき、すぐに硬化が可能いう特長から、エレクトロニクス分野での製造工程などで広く利用されている。だがこれまでの製品は、元の液体状態に戻らないため、再作業性がなく、接着箇所の修復やリサイクル利用の観点から課題があった。今回の開発はこれらの課題に応えたものして注目される。 2月14日にから東京ビッグサイトで開催中(16日まで)の「nano tech2018 第17回国際ナノテクノロジー総合展・技術会議」で発表する。 |