2018年02月16日 |
世界初、SiCを適用したMMC型HVDC変換器セルを検証 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:NEDO、三菱電機 |
NEDOは16日、三菱電機が世界で初めて、3.3kV SiCパワー半導体モジュールを適用したMMC型HVDC変換器セルの技術検証を実施し、変換器の大幅な電力損失低減と小型・軽量化を実現したと発表した。内閣府「戦略的イノベーション創造プログラム」による成果。洋上風力発電などの長距離・大容量送電の高効率化や洋上プラットフォームの省スペース化に貢献すると期待される。 パワーエレクトロニクスは、電力インフラ、自動車、鉄道車両、産業機器や家電など生活のさまざまなところに適用され、それらの高性能化や省エネルギー化を支える重要な技術。日本に強みがあるこの領域を強化するため、NEDOが管理する内閣府プロジェクト「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)/次世代パワーエレクトロニクス」では、2014年度からSi(シリコン)に代わるSiC(炭化ケイ素)などの新材料パワー半導体デバイスを製品へ適用するための技術開発を推進し、電力機器の大幅な高効率化と小型化を目指してきた。 今回、三菱電機は、世界で初めて高い絶縁破壊電圧を有するSiCの特性を生かした3.3kV SiCパワー半導体モジュールを適用したMMC型HVDC変換器セルを開発した。検証によって変換器の電力損失50%低減と小型・軽量化を確認した。この変換器セルを用いることにより、洋上風力発電などの長距離・大容量送電の大幅な高効率化や変換器設置面積の制約が大きい洋上プラットフォームの省スペース化に貢献することが明らかとなった。 三菱電機は今後、3.3kVよりさらに耐電圧の高い6.5kV SiCパワー半導体モジュールの適用による開発を推進し、さらなる長距離・大容量送電の高効率化と、変換器設置コストの削減を実現し、2020年代後半の実用化を目指す。 |