2018年04月06日
東レ、ハンガリーでラージトウ炭素繊維 増強
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:東レ

東レは6日、米国の子会社Zoltek Companies, Inc.(本社:ミズーリ州、竹内 芳裕社長)で、ラージトウ炭素繊維の生産設備の増強を決めたと発表した。同社ハンガリー工場に約130百万米ドル(約137億円)を投じてラージトウの生産能力を現行年産1万トンから1万5000トン強に増大する。

ラージトウとはフィラメント数が40K(40,000本)以上の炭素繊維のことで、風力発電機翼や樹脂コンパウンド強化剤などの産業用途向けに需要が拡大している。風力発電の場合、発電機の大型化により1機あたりのラージトウ炭素繊維の使用量が増加している。

欧州で自動車の構造体用途向けにも炭素繊維の需要拡大が見込まれている。今後はハンガリー工場から自動車メーカー向けにもタイムリーに供給できる体制を構築していく方針だ。

 Zoltekは現在、メキシコ工場でも生産能力を年産5000トンから1万トンへ倍増工事中で、今回のハンガリーの増強と合わせてZoltek全体の生産能力は2万5000トン/年となる。

<用語の解説>
■ラージトウ :フィラメント数が40K(40,000本)以上の炭素繊維で、風力発電機翼、樹脂コンパウンド強化剤等の産業用途での要求特性を満たす、比較的低価格の製品として使用されている。
■レギュラートウ :フィラメント数が24K(24,000本)までの炭素繊維で、航空機や圧力容器等、高性能・高品位が要求される分野で使用されている。