2018年04月06日 |
武田薬品「リーシュマニア症」治療薬開発へ |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:武田薬品工業 |
武田薬品工業は5日、スイスのDrugs for Neglected Diseases initiative (本部:ジュネーブ=DNDi)と共同で、内臓リーシュマニア症(visceral leishmaniasis :VL)の革新的な治療薬を開発するため、アミノピラゾール系化合物群から見出された医薬品候補化合物の前臨床試験および臨床第1相試験に協働で取り組むと発表した。 両試験は、開発途上国で必要とされる医薬品やワクチン等の研究開発を促進する国際的な官民パートナーシップであるグローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)の助成案件に選定されている。助成金額は約6億円。 <用語の解説> ■リーシュマニア症とは: リーシュマニアという原虫の感染によって起こる感染症のこと。世界中で90カ国以上、10億人を超える人が、サシチョウバエが媒介して感染するリーシュマニア症のリスクにさらされている。リーシュマニア症の中でもVLは最も深刻で、発熱、体重減少、脾臓や肝臓の肥大、貧血が自覚のないまま進行する。毎年約5~9万例の新たなVL症例が認められ、約3万人の死亡例が報告されている。皮膚リーシュマニア症は、毎年60万人から100万人の新たな感染が報告されており、感染患者は外見に傷が付く、痕が残るなどの影響を受ける。既存の治療薬は、費用面での問題があり、投与が難しく、有効性が地域によって異なるだけでなく、長期の投与および安全性に課題が残っている。 |