2018年04月10日
石化協「定修時期の分散」取り組みへ
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:石油化学工業協会

政府は働き方改革の一環として「時間外労働の上限規制」導入を決めたが、石油化学工業協会はこのほど「コンビナートの定修工事などに大きな影響が出る。定修時期の分散を図る必要がある」として「石油化学産業における環境整備について」と題する答申をまとめ、経産省の多田明弘製造産業局長に提出した。答申は石化協内に設置した第3次「環境整備検討会」(石環検)がまとめ、同検討会定修検討WGの岡野俊博座長(三井化学理事 エンジニアリングセンター長、13社で構成)が10日発表した。

その中で「労働時間の上限規制」を守るためには、今の定修制度を根本から見直し、実施時期を「分散化」することが大きな解決策となる。だがその調整を企業間で進めるには(1)独禁法上の課題をクリアする。またメンテナンス会社の協力や関連企業、ユーザー等の協力が必要となる(2)従業員対策として、雇用延長者の活用、拡大を図る(3)着工手続きの簡素化や統一化を図る、などが必要になると指摘した。

また、重要な課題として「柔軟な政府対応による支援」や「技術面での対応強化」を挙げ、政府に対しては「実態を反映した、さらなる規制緩和」「定修時期の分散を容易にするための許可期限の設定方法見直し」、「IoT機器や新技術の型式認定の審査の短縮・簡略化」などを要望した。

■岡野俊博WG座長
簡単にいく話ばかりではないと思うが、定修時期の調整は、業界を挙げて取り組むべき課題という認識が業界内にも広がっている。時間がかかってもやっていきたい。生産調整といった誤解を受けないことが大切だ。石油精製などの上流だけでなく下流とも足並みを揃えてやる必要がある。規制緩和の問題もからむ。経産省からは前向きに議論したい、との感触を得ている。まだ先は見えないが、業界にとっては国際競争力の強化という観点から、日化協など他の団体とも連携して取り組むべきだと思う。

(注)答申の全文はニュースリリースにあります。

ニュースリリース
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1523347391.pdf