2018年04月17日
理研と東レ「耐熱・超薄型有機太陽電池」開発
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:東レ、理化学研究所

理化学研究所と東レは17日、耐熱性と高いエネルギー変換効率を兼ね備えた「超薄型有機太陽電池」の開発に成功したと発表した。 ホットメルト手法で衣服に直接貼り付けるウエラブル電源になると期待される。

共同研究グループは、理研独自のウルトラフレキシブル有機半導体デバイス技術に、新しい半導体ポリマーの開発技術を加えることで「超柔軟で極薄」の有機太陽電池の耐熱性とエネルギー変換効率を大幅改善することに成功した。この有機太陽電池は、最大エネルギー変換効率10%を達成しながら、100℃の加熱でも素子劣化が無視できるほど小さいという、高い耐熱性を有する。また、大気環境中で80日保管後の性能劣化も20%以下に抑えられた。このような高効率と高安定性の両立により「ホットメルト手法」を用いた衣服への直接貼り付けが可能になった。

同研究は、米国アカデミー紀要「Proceedings of the National Academy of Sciences of the USA」掲載に先立ち、オンライン版(4月16日付け:日本時間4月17日)に掲載される。


<用語の解説>
■ホットメルト手法とは : 熱をかけることで溶ける接着剤を利用した接着プロセス。アパレル分野では、無縫製での衣服成形が可能となる手法として利用されている。