2018年04月19日 |
産総研など、多種多様な単原子膜の合成技術開発 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:産業技術総合研究所 |
産業技術総合研究所は19日、 日本学術振興会やシンガポール南洋工科大学と共同で、遷移金属カルコゲナイドと呼ばれる物質を二次元材料である単原子膜として基板上に成長させる簡便な合成法を開発したと発表した。 グラフェンなどに代表される二次元材料は、金属・半導体から超伝導まで多様な電子特性が極薄の材料で実現できるため、次世代のナノデバイスの構成部品として期待されている。だが、二次元材料の多くは単原子膜では不安定で電子部品基板上に直接成長させることができなかった。 今回開発した合成技術には、化学気相成長(CVD)法を用いる。遷移金属源に塩(NaCl、KI)を添加して溶融させ、キャリアガスでカルコゲン源を供給することによって、これまで作製が困難だった多種多様な遷移金属カルコゲナイドの単原子膜をシリコン基板上に直接合成・成長させることができる。 今回、超伝導特性を示す二セレン化ニオブをはじめ47種類の遷移金属カルコゲナイドの単原子膜が合成でき、合成された二次元材料は、最先端電子顕微鏡技術により欠陥や不純物が少なく高品質であることが分かった。同技術で開発した単原子膜は電界効果型トランジスタ(FET)やダイオードなど多くの電子デバイスに応用できる可能性があり、今後のナノエレクトロニクス分野への貢献が期待される。 同技術の詳細は、4月19日(現地時間)に英国の学術誌「Nature」に掲載される。 |