2018年04月23日
経産省報告「IoT活用、テキスタイルの将来変える」
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:経済産業省

経済産業省は20日、IoT等のデジタルツール活用が生活の質をどのように変えるか」について、ファッションやテキスタイルを中心にまとめた研究会報告を発表した。
報告は「生活製品におけるIoT等のデジタルツールの活用による生活の質の向上に関する研究会」(座長、平井利博・信州大学名誉教授、9社で構成)が、主にファッションテックやスマートテキスタイルについて、今後の課題や取り組み、将来の可能性などを検討してまとめた。

ファッションテックとは、FashionとTechnologyを組み合わせた造語で、ファッション分野にデジタル技術を積極的に導入し、生産性の向上や製品・サービスの向上を図る取り組みのこと。報告の中で、IoTの活用は「将来的に、衣服というモノの概念を根本的に変革し、これまで不可能だったサービスやソリューションを提供できる可能性を秘めている」と述べたあと「日本では高機能な素材は開発されたが、用途や製品化などへの実用化は総じて遅れている」と指摘した。

今後の課題として「製品化に向けた出口イメージ(ターゲット)の明確化」や「繊維・素材メーカーによる異分野連携やサービス化への取り組み」、「スタートアップ企業への支援」などをあげた。

将来像として、衣服にセンサー機能を付与することで衣服の歴史に新たなページが開かれるとし、一例として「テキスタイルにより毎日の体調管理ができるようになる」「高齢者の健康管理や病気の予防」「作業現場での体調管理や職場環境の改善」などをあげ、「医学等の発展や開発」にも寄与できると示唆した。報告書は「IoTの活用は、事業者も消費者もまだ気づいていない、私たちの生活を一変させる、新しい価値を提供できる可能性を秘めている」と、将来の可能性が大きいことを強調した。