2018年05月17日 |
IHI、「アンモニア燃料電池」1Kw発電に成功 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:IHI |
IHIは16日、アンモニアを燃料とする固体燃料電池(SOFC)システムを開発し,横浜事業所で1kW級の発電に成功したと発表した。今後は業務・産業用途に向けてシステムの大型化に取り組む。 実証試験は、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「エネルギーキャリア」の委託研究課題「アンモニア燃料電池」(研究責任者:京都大学 大学院 工学研究科 江口浩一教授)として3月に実施された。 現在「持続可能な開発目標(SDGs)」に向けた取り組みとともにエネルギー分野では発電時にCO2を発生させない水素の利用拡大が期待されている。だが、普及のためには運搬・貯蔵のコストが課題となり、さまざまな研究開発が行われている。中でも、アンモニア(NH3)は水素含有量の多さ、液化・運搬・貯蔵の容易さ、また肥料や化学原料として流通しているため輸送インフラが整っているなど、有利な点が多い。 とくにアンモニアは炭素を含まないため、CO2排出量ゼロのクリーンな燃料電池システムとなる。現在の燃料電池システムでは燃料を水素に変えるための改質器が必要だが、アンモニアの場合は、SOFCの運転温度域でアンモニアが水素と窒素に熱分解されるため改質器が必要ないなど構造もシンプル。 同社は今後、長時間の連続運転による実証試験を実施し、業務・産業用途に向けてシステムの大型化や,高効率化を急ぐ方針だ。 ニュースリリース http://www.ihi.co.jp/ihi/all_news/2018/technology/2018-5-16/index.html |