2018年05月17日 |
京大、安価な化学反応へ新規リン酸酵素発見 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:京都大学 |
京都大学の三木邦夫 理学研究科教授、跡見晴幸 工学研究科教授らの研究グループは16日、ピロリン酸を利用する新規リン酸化酵素を発見し、その酵素がピロリン酸を選択的に利用する仕組みを明らかにしたと発表した。この研究成果は、生体内で普遍的に行われている酵素によるリン酸化反応についての知見で、今後、安価な原材料をもとに、環境に優しい温和な条件での化学反応が実現できると期待される。 これまでピロリン酸を構成するリン酸化酵素(タンパク質)の存在は知られていたが、これらの酵素がどのようにピロリン酸を選択的に利用するのかは分かっていなかった。研究グループは、ピロリン酸を利用する新規リン酸化酵素を発見した。その酵素がAPT(アデノシン三リン酸)ではないことや、ピロリン酸を選択的に利用する仕組みをもつことをX線結晶構造解析によって明らかにした。この知見は、酵素とピロリン酸をつかった環境にやさしく安価なリン酸化物生産法の産業利用を可能にすると期待できる。 同研究成果は、2018年5月2日に国際学術誌「Nature Communications」にオンライン掲載された。 |