2018年05月24日
理研、京大など、新粒子「ダイオメガ」存在を予言
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:理化学研究所

理化学研究所仁科加速器科学研究センターの権業(ごんぎょう)慎也特別研究員、数理創造プログラムの初田哲男ディレクター、京都大学、大阪大学、日本大学研究者による共同研究グループ「HAL QCD Collaboration」は24日、スーパーコンピュータ「京」を用いて、新粒子「ダイオメガ(ΩΩ)」の存在を理論的に予言したと発表した。

同研究成果は、素粒子のクォーク(物質を構成する最も基本的な素粒子で6種類のフレーバーと赤・青・緑3種類のカラーを持つ)がどのように組み合わさって物質ができているのかという現代物理学の根源的問題の解明につながると期待できる。

6個のクオークからなる粒子(ダイバリオン)は、1930年代に発見された重陽子(陽子1個と中性子1個)以外には見つかっていない。今回共同研究グループは2個のΩ粒子の間に働く力を「京」を用いて明らかにし、ダイオメガ
(ΩΩ)の存在を予言した。重陽子の発見以来、約1世紀ぶりとなる実験的発見が期待できる。

同研究内容は米国の科学雑誌「Physical Review Letters」掲載に先立ち、オンライン版(日本時間5月24日)に掲載される。