2018年05月28日
産総研、低温・低圧でアンモニア合成 新触媒開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:産業技術総合研究所

産業技術総合研究所は28日、再生可能エネルギーの特徴に対応した新規アンモニア合成触媒を開発し、日揮と共同でアンモニア製造実証試験を開始したと発表した。

産総研は、再生可能エネルギーによって製造された水素(再エネ水素)から、アンモニアを合成しようと、まず圧力を上げると性能が低下するルテニウム触媒の課題解決から着手し、10MPa(約100気圧)以下の圧力範囲で高い活性を維持できる新規触媒を作製した。日揮がこの触媒を用いてアンモニアを製造するプロセスを開発し、実証試験装置を福島再生可能エネルギー研究所に建設して、本格実証試験を開始した。

アンモニアは、水素貯蔵物質として有用で大量に輸送でき、アンモニア自身が燃焼時に二酸化炭素(CO2)を排出しない燃料となることからエネルギーキャリアとして期待されている。今後、再エネ水素から再エネアンモニアを製造することによって、革新的で低炭素の水素エネルギー社会を実現することに貢献する。

同研究は、内閣府「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」の一環として、科学技術振興機構の支援を受けて行った。

技術の詳細は、5月29日に郡山市(郡山ホテルビューアネックス)で開催されるFREA成果報告会で発表する。

<用語の解説>
■ルテニウム触媒とは :アンモニア合成反応に活性を示す貴金属の1つとして知られる元素。