2018年06月20日 | |
クラレ・伊藤社長「カルゴン買収 シナジー大きい」 | |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:クラレ |
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活性炭の世界最大手、カルゴン・カーボン(Calgon Caarbon)を買収し完全子会社化したクラレの伊藤正明社長は20日記者会見し、買収までの経緯や今後の事業目標などを語った。この中で「活性炭事業をビニルアセテート、イソプレン事業と並ぶ将来のコア事業に拡大したい。カルゴン社は世界最大の活性炭メーカーで生産拠点を世界7カ国、販売拠点を16カ国に持っている。両社の技術力やマーケット力を融合して最大限のシナジー効果が得られるようにしたい」と抱負を語った。 会見に同席したカルゴン・カーボンのRandall S.Dearth CEOは、カーゴンの現状を紹介しながら「当社は1942年の設立と歴史が古く、ハイエンド品を中心にマーケットを開拓してきた。だが、活性炭の用途は裾野が広く、全てのニーズに応えることは難しい。カーゴン製品は木質炭、石炭系粒状炭を中心に環境保全や食品精製分野に用途を拡大してきたが、クラレは浄水器、キャニスター、触媒など幅広い分野に強みを持ち、両社は相互補完できる関係にある。シナジー効果は大きい。カーゴンの全社員がクラレと一緒に仕事できることを喜んでいる」と、相互補完できる強みを強調した。 クラレは2020年度のカルゴン・カーボン事業による経営数値目標として、 売上高950億円(17年度実績:843億円)、事業利益60億円(49億円)、営業利益90億円(45億円)、シナジー効果30億円を掲げた。伊藤社長は「シナジー効果は将来的には技術革新、生産体制の最適化によるコストダウンなどさらに大きくなる。2025年には100億円に達するだろう」と今後の展開に自信をみせた。 |