2018年06月26日

カネカ、高機能フィルムなど、110億円で大幅増強

【カテゴリー】：経営 【関連企業・団体】：カネカ

カネカは26日、滋賀工場（滋賀県大津市）で超耐熱ポリイミドフィルム、グループ会社の栃木カネカ（本社：栃木県真岡市、野澤秀至社長）で超高熱伝導グラファイトシートの生産設備をそれぞれ増強すると発表した。投資額は合わせて約110億円で、いずれも2019年春稼動の予定。IoT、AIの普及で急速に拡大するポリイミド材料の需要に対応する。 同社の超耐熱ポリイミドフィルムの生産能力は、今回の増設で日本、米国、マレーシア合計で約3割増える。また、そのフィルムを原料とした超高熱伝導グラファイトシートの生産設備は約3倍の増強となる。 超耐熱ポリイミドフィルムは、主用途であるフレキシブルプリント回路基板(FPC)向けの需要がスマートフォンなど携帯端末の高機能化により拡大している。通信・車載・医療・工業用向けにも市場が拡がっている。また、超高熱伝導グラファイトシートは、デジタルデバイス、通信システムの高性能化により、熱対策材料向けの需要が好調だ。今後はその原材料である超耐熱ポリイミドフィルムの供給不足が懸念される状況となっている。 ＜用語の解説＞ ■超耐熱ポリイミドフィルム ： 優れた耐熱性、耐寒性を有する高機能性フィルムで、フレキシブル回路基板用途の他、鉄道車両用モーターや航空機電線の絶縁用途、情報衛星などの宇宙用途にも幅広く用いられる。 ■超高熱伝導グラファイトシート ： ポリイミドを原料とした高分子設計技術と高温での焼成技術をベースに生産。銅の3倍の熱伝導率を持つ。スマートフォンやタブレットを中心としたモバイル機器のCPU向けに加え、新デバイス向け構造部材向け熱対策材料として今後さらなる需要拡大が見込まれる。 ニュースリリース http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1529980618.pdf