2018年07月03日 |
J-TEC、色素細胞を保持する自家培養表皮治験へ |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング |
富士フイルムは3日、グループ会社のジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(本社:愛知県蒲郡市、畠賢一郎社長、J-TEC)が同日、メラノサイト(色素細胞)を保持した自家培養表皮「ACE02」の治験計画届書を独立行政法人 医薬品医療機器総合機構に提出したと発表した。 同治験は、尋常性白斑(注1)や、まだら症(注2)など安定期の白斑の患者を対象とした治験。 白斑は、皮膚に存在するメラノサイト(色素細胞)が減少し、皮膚の色が白く抜ける疾患だが、なかでも後天的にメラノサイトが破壊されて発症する尋常性白斑や、先天的な遺伝子異常により発症するまだら症に対する治療ニーズは高い。 現在、尋常性白斑の治療法には、ステロイドなどの外用薬塗布や紫外線照射などのほか、患者本人から採取した皮膚組織の移植という外科的治療法がとられている。だがこの場合、採取できる皮膚組織の面積が小さいため、一度の手術で広範囲に治療することは難しい。 「ACE02」は、患者本人から皮膚組織を採取し、メラノサイトを保持したまま大面積のシート状に培養・作製する自家培養表皮を白斑患部へ移植する、色素再生を目的としている。今後、山形大学や名古屋市立大学病院など全7施設で治験を実施していく予定だ。 <用語の解説> ■(注1)尋常性白斑 :後天的にメラノサイトが破壊されることにより、メラニン生成が停止または低下し皮膚が脱色される症状をいう。患者数は、国内で約15万人と推定されている。 ■(注2)まだら症 :先天的な遺伝子異常により、額や腹部、膝関節などに対称性の白色斑を有することが特徴で、患者数は、国内で数千人と推定されています。 ニュースリリース参照 http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1530601537.pdf |