2018年07月11日 |
京大、「電子を閉じ込める新材料」世界初実証 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:京都大学 |
京都大学大学院の田中功教授(工学研究科)、北海道大学の太田裕道教授(電子科学研究所)らの研究グループは10日、熱を電気に変換する熱電材料の性能を、従来比2倍に増強できることを世界で初て実証したと発表した。狭い空間に電子を「ギユッ」と閉じ込めることで性能倍増を可能にした。 ふだん使われるエネルギーは、約3分の2が活用されないまま廃熱として環境に放出されている。この廃熱を有効活用する方法として、熱を電気エネルギーに直接変換できる熱電材料の利用が注目されている。 研究グループは今回、物性理論に基づいた指針に基づき、狭い空間に電子を閉じ込めることで、熱電材料の性能が従来比2倍に増強できることを、初めて実証した。 広がった電子を狭い空間に閉じ込めることで、熱電能の増強効果を高め、性能を倍増させるという今回の成果は画期的であり、将来、工場、火力発電所、自動車やコンピュータなどからの廃熱を電気に変えて有効利用する技術につながることが期待される。 同研究成果は、2018年6月20日に英国の科学誌「Nature Communications」のオンライン版に掲載された。 |