2002年03月26日
旭硝子が透明ふっ素樹脂で光導波路生産へ
ブロードバンドの進展に対応
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:旭硝子

 旭硝子はふっ素化ポリイミドやメタアクリルなどのプラスチック製光導波路デバイスに比べ光の伝送損失を軽減できる透明ふっ素樹脂材料をNTTアドバンステクノロジー(田崎公郎社長、東京都新宿区)と共同で開発、2004年にも量産にのりだすことになった。
 
 透明ふっ素樹脂の同デバイスはガラス製より量産性にすぐれており、旭硝子がすでに製品化している透明ふっ素系光ファイバーとともにFTTH(ファイバー・ツー・ザ・ホーム)時代の光デバイスの有力メーカーの地位を確保するものとして注目されている。
 
 開発された光導波路デバイスは旭硝子の非晶質透明ふっ素樹脂「サイトップ」を採用。1本の光ファイバーに4種類の波長の光を閉じ込める。電気配線のように光の曲げや分岐が可能な波長分割多重(WDM)向けの光合分波器である。
 
 0.8~1.7マイクロ(1マイクロは百分の1)メートルの範囲の光波長に対応でき、波長1.5マイクロメートルでの伝送損失は1平方センチメートル当たり約0.3デシベルと、ふっ素化ポリイミドの約60%まで低減させた。製造時にはガラスの約7分の1の200℃で加工でき、量産性にすぐれる。
 
 光合分波器はブロードバンドの進展で2005年に1,300億円の世界市場が形成されると予想されているが、このうち旭硝子では同年に5億円、2010年には25億円の売り上げをめざす予定。